丁寧に作ったクルミ3,000円kgに宿る幸せ
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【目次】
今の生活になんとなく不安を感じているけど、解決の糸口が見えない僕が、今日もみなさんと「幸せになるためのヒント」を探索。
今日は友人におススメしてもらった本、「ゆっくり、いそげ」を読んで幸せ探しをしていきたい。
【1、ブックレビュー】
①題名について
「ゆっくり、いそげ
~カフェからはじめる人を手段化しない経済~」
主題は、
「経済第一でも、支出を極限まで減らしたスローライフでもなく、幸せという目的地に向けてあえてゆっくり向かうことが大事では」
という価値観を伝えている。
副題は、かみ砕くと
「人を幸せにするために生まれた仕組みなはずの”経済”。でも”経済”の拡大のために人が手段として使い捨てされている。もうこれやめようぜ」ってこと。
②概説
お話はカフェのオーナーである筆者がクルミの収穫を手伝いにいく場面から始まる。クルミを割るパキッパキッという音のなか、地元のおじさんおばさんと交わされる他愛ない会話。このクルミは3,000円/kg。
かたや収穫のほぼすべてが機械化されたアメリカのクルミ、1,000円/kg。
この2つのクルミの価値を同じ土俵で比べるべきなのだろうか。
「他愛ない会話、そこに流れる幸福感にこそお金を払いたい」
という考えを持った不特定多数ならぬ
「特定多数」
に届く価値があるのではないかと主張する。
東京は西国分寺から、同じ価値観を共有してくれる、
「特定多数」のみなさんとカフェを作り上げていった。
【2、考察~無意識に世間に合わせちゃってるとこない?~】
うるうるしながら読んでしまった。
なぜなら僕もおじさんおばさんのクルミを買いたいはずなのに、
何も知らず考えず、安いものを買ってきてきたから。
無意識に世間の感覚に合わせてきてしまった…
①丁寧なクルミが存在してもいい~自ら進んで高い価格を払いたいとき~
「それでも安ければ安いだけいいじゃん」
という気持ちも当然ある。ここで一度次の場合を考えて欲しい。
全く同じ味であるとすればどっちを選ぶだろうか。
①知らない中華屋の麻婆豆腐定食800円
②友達が経営する中華屋の麻婆豆腐定食1,000円
①を常に選ぶ場合もあるだろうが、②を何回かに一回は選ぶとか、②しか選ばないとかいう人ももちろんいると思う。
①、②の違いは
「友達が作っているかどうか」と「値段」だ。
なぜ友達が作ったというだけで差額の200円を進んで払えるのだろうか
それは、友達の店での食事が普段の食事以上の意味を持つから。
その友達と話す時間が楽しいとか、友達を応援したいとか、栄養の摂取、おいしさを感じること以外の価値を感じれるんじゃないかな。
②丁寧なクルミの存在を知る~そもそもあそこの店誰がやってたっけ~
そもそも丁寧に作られたクルミ、友達が作った麻婆豆腐定食の存在を知らなければただ単に高いクルミと高い定食でしかない。ってことは選ばない。安い方選ぶから。
だったら
おじさんおばさんがクルミを丁寧に作っていることや、
友達が一生懸命に麻婆豆腐を作っていることを
「知らない」方がいいのだろうか。
知っていたら丁寧クルミと友達麻婆を選ぶのに?
こう考えると、
ご飯を食べるという日常をもっと幸せにするには
誰が作っているのか勉強したり、思いを馳せたり、友達のやっている店に行ったりした方が幸せになれるのかもしれない。
【3、幸せのために新しい価値観に触れる】
①丁寧なクルミが存在してもいい
②丁寧なクルミの存在を知る
で話したヒントを食べるもの以外のところまで使えるようにすると
「新しい価値観に積極的に触れて、二択の質問を考えてみる」
ということが言える。
「丁寧クルミや友達麻婆に価値を感じる自分がいること」に気付くことは難しい(僕も本書を読んで気付いた)
だから、いつも読まない本、喋らない人との会話、馴染みのない話題とか、新しい価値観に触れる機会を積極的につくる。そして自分のなかで二択をしてみればいいのだ。
毎回丁寧クルミではなくても時には選びたくなるのか
だいたいは新しい価値観に出会っても
「こういう考え方あるんだー、へー」で終わる。
そこでもう一歩進んで、その価値観のもとであれば自分だったらどちらを選ぶのか
きっと新しい自分の幸せに気が付けるはず。
【まとめ】
今回のブックレビューでは語り尽くせないほど
食事とか、コミュニティにおける新しい考え方を教えてくれる本。
特に忙しく働いていて、疲れてしまった人に読んで欲しい。
自分の幸せを立ち止まって考えるきっかけを与えてくれるはず。
それじゃまた。